私は、東村山・所沢地区を拠点に東京都・埼玉県・長野県を中心に活動する中小企業診断士・事業承継士の羽田巧(はた たくみ)です。
今回は、親族内事業承継を成功に導くための7つのテーマの6つ目の「組織を改革する」です。
ここでのポイントは、後継者にとって会社運営が行いやすい組織へと変えていくことです。

会社の組織図の見直しを行う

後継者の考える今後の会社の方向性、後継者の経験や性格などを考慮して、後継者がマネジメントしやすい組織体制ににして、組織図も今までの慣例に囚われずに見直しを行う必要があります。

新たなマネジメントシステムの体制を再構築する

現経営者は、カリスマ性から暗黙のルールで組織の統制が取れていた可能性があります。経営者が変わると今までの暗黙のルールが崩壊し、勝手な行動が行われる可能性があります。職務ごとに役割と権限を決めて責任を明確にすることで統率の取れて、後継者がリーダーシップを発揮しやすい組織へ変えていく必要があります。

就業規則の見直しを行う

就業規則は、大企業ですら不備があり、会社と従業員との間でトラブルが起こることが多々あります。
経営者が交代する前に、就業規則が労働基準と合っているのか社会保険労務士を入れて見直す必要があります。
現経営者は、カリスマ的な存在により労働トラブルが発生していなかっただけかもしれません。経営者が変わった途端に未払残業代などの労務トラブルが発生しないとも限りません。
後継者に余計な負担を残さないためにも、後継者にバトンタッチする前に就業規則の再確認が必要です。

古参の従業員や現経営幹部の処遇を留意する

古参の従業員や現経営幹部の処遇によっては、承継後に後継者の抵抗勢力になったり、独立して事業上のライバルとなる可能性もあります。
他の従業員も「明日は我が身」と不信感を抱かす結果になり、今まで会社の力になってくれていた従業員が上手く機能しない事態になりかねません。
古参の従業員や現経営幹部をはじめとする従業員の心情に配慮した処遇、コミュニケーションが求められます。