「5S活動」の具体的な内容

「整理」活動

不要なものを捨てることです。

そこにあるものが組織活動において「必要なものかどうか」を考えます。
そして、捨てるものの基準をきめていきましょう。

例えば、
「3年以上前のカタログは全部捨てる」
「使っていない機器機械を処分する」
という思い切った決め方が大切です。

そして、捨てる基準に従って「赤・青・黄」の3色の札を付けていきます。
「赤札」は廃棄していいもの
「青札」移動したいもの
「黄札」自分たちでは判断できないもの

担当者の価値観で不要なものだと思っていても、立場が違えば判断が違います。
原則としては「捨てる」という観点から活動を行いますが、その意味やプロセスも会社で共有しましょう。

「整頓」活動

決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておくこと

場合には、机の位置を変えたり、つい立を外したり棚の中の位置を変えたりとそこで働く人たちがもっとも働きやすい、つまり、業務の効率を考えてレイアウトにします。
工場や倉庫ならラインを引く、あるいは新しい棚を取り付けます。

「整頓」活動により、業務の効率性が向上することになります。

「清掃」活動

常に掃除をすること

整理で不要なものを捨てて、整頓で再配置と表示ができたあとの清掃は
単に見える部分をきれいにするという単純な行為だけでなく「点検保守」が目的になります。

企業にはその年月にかかわらず、創業以来の垢や錆がこびりついています。
創業50年の会社なら50年の、5年なら5年分の垢と錆が溜まっています。
その垢と錆を取り除かない限り、今の時代にあった新しい仕組みを作り上げることはできません。
清掃は、今の時代に合った組織の「点検保守」の仕組みをつくるものと捉えましょう。

その背後のバックヤードは垢だらけ、このギャップが企業の成長や発展を阻害しています。

清掃にも当然ルールが必要です。
日に一度、週に一度、月に一度は清掃をする部分や場所を決めて、整然とした気配に満ちた企業にする必要があります。

そのために担当部署や担当者を明確に定めて業務として清掃を位置づけ
同時に点検活動を行うことが5S活動の清掃になります。

「清潔」活動

3S活動(整理・整頓・清掃)の状態を維持することでそれらの状態を保つということ

整理・整頓・清掃がルールを定めてそれに従って行動するのに対して、清掃は瞬間的な反応が要求されます。
清潔というものは、整理・整頓・清掃のように目に見えるものではありません。
組織の人間やその組織に関わる取引先や顧客が「感じる」ものです。

「躾」活動

決められたルール・手順を正しく守る習慣をつけること

単純にものが片付いた綺麗な状態であるだけでなく、そこで働く人々の服装や身だしなみが整い、挨拶や電話対応もすばらしく他の企業より優れていると顧客や取引先の人たちが感じてくれます。

それが、5S活動の終着点です。

あいさつの仕方や電話対応の仕方はどこで教わったでしょうか。
学校では挨拶の仕方や電話対応を教えていません。
歩き方や立ち方、正しい服装も教えていません。
どこでも学んでいないので組織できちんと対応できていないということにお気づきでしょうか。
5S活動の最後に「躾」が入っているのは意味があります。

続く
企業価値を高める「5S活動」④