「5S活動」の導入手順

手順1.経営者が「5S活動」の目的を決定する
・そもそも、なぜ、「5S活動」を始めようしたのか。
・組織的な課題は何なのか。
・組織のあるべき姿は何なのか。
などから浮かび上がってくる「5S活動」の目的を明確にし、全従業員が共通の認識として共有できるようにします。

手順2.目的に沿ったリーダー・メンバーを選出する

・リーダー(活動責任者)
5S活動の全体を統括し、絶えずメンバー間や経験者とのコミュニケーションを図る人です。全社への活動報告や進捗状況を発信します。
・メンバー(活動推進者)
各部門や各世代から選ばれた活動を推進する人です

必ずしも役職者がリーダーとなる必要はありません。
「5S活動」を目的に合わせて、最も適している人材を選出します。

手順3.リーダー・メンバーに、経営者が直接目的の意義を伝える

「5S活動」を中心となって担うメンバーやリーダーたちに選出理由や活動の意義を直接、伝えましょう。
経営者や経営幹部の意気込みとバックアップ体制がメンバーに伝わっていなければ、活動の意義が勝手に解釈されてしまい、思うような結果が残せないようになってしまいます。

5S活動では、この「目的設定」「リーダー・メンバーの選出」「目的の共有」が
経営者としてもっとも重要な仕事になります。

手順4.自社の「全員」を定義して「キックオフ」行う

活動の開始宣言を行います。
キックオフで気をつけなればならないことが、全ての従業員を集めることです。
正社員だけでなく、嘱託・派遣・アルバイト・パートの人たちまで会社に関わる全ての従業員に「5S活動」の意義が浸透して、定着するように全ての従業員に説明を行います。

手順5.活動会議の名称を決め、定期的な会議の中で活動の工程を決める

「誰が」、「何を」、「いつまでに」行うのかを決めます。
ヒトは期限が定まっていないことに対しては、後回しにしてしまう習性があります。
責任と期限が明確になることによって力を発揮しやすい状態になります。

手順6.会議の内容を必ず経営者へ報告し、進捗や予定の共有を行う

リーダーやメンバーは、定期的な会議を行い活動内容の進捗状況を確認しあいましょう。
経営者や経営陣、末端の従業員まで内容が共有できるように報告して活動が社内全体に定着するようにしてください。

終わりに

儲かっている会社と儲かっていない会社の違いは、根源として仕組みの違いにあります。

5S活動は「整理・整頓・清掃」という製造業の3S活動から出発しました。
製造業なので、まず「不良品を減らすこと」「生産効率を上げること」が最大の目的でした。
しかし時代が進むと、単に生産効率だけではなく顧客ニーズの中に「安全・デザイン・環境」という
新しいものが出てきたために「清潔」という新しい概念が加えられました。
そして、次のステージで接する人たちの品位までが問われ始めたため、最後に「躾」というものが要求されました。

業務ができでも、躾ができない企業は多くあります。

売上が伸びない原因の多くは、こうした仕組みが組織の中にないか、あるいは根付いていないところにあります。

「5S活動」を仕組みとして組織に取り入れて、成長する組織へと変革していきましょう。