会社は、従業員に対して労働安全衛生法により定期健康診断が義務付けられています。
健康診断の目的として、病気を見つけ出して、少しでも早く治療することです。
自覚症状がなくて一見健康と思われる人でも、思わぬ病気が潜んでいることがあります。

従業員が定期健康診断を受けるように、会社にも定期的に健康診断が必要です。
早めに健康診断を行うことで自社の状況を把握し、次の打ち手を考えるために役立てることができるからです。
会社の健康診断ツールとして開発されたのが経済産業省が提供しているローカルベンチマーク(通称:ロカベン)です。
定期的にローカルベンチマークを利用することによって経営環境や経営状態の変化に素早く気づき、支援機関や金融機関との対話を実施するキッカケとなります。

ローカルベンチマークの特徴としては、あくまでも簡易診断であるということです。
企業の経営者等や金融機関・支援機関等が、会社の状態を把握し、双方が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みであることです。

ローカルベンチマークを活用するには

ローカルベンチマークは、経済産業省から提供しているExcelのシートを3つを入力することで作成することができます。

1.「財務分析」シート

3期分の決算書の基礎的なデータを入力することで①売上増加率②営業利益率③労働生産性④EBITDA有利子負債倍率⑤営業運転資本回転率⑥自己資本比率の財務指標を確認できます。

ローカルベンチマーク 「財務分析」シート

 

2.「商流・業務フロー」シート

モノや仕事の流れを見える化する商流・業務フローシートです。
企業内部の業務の流れを表すのが業務フローです。
例えば、[商品企画]→[商品開発]→[製造]→[デザイン]→[販売]というふうに業務の流れにそって示し、業務内容と差別化のポイントを記載していきます。
現状と将来目標のギャップから課題を把握し、これから行うアクションを決めていきます。
商流把握は、①仕入先、②協力先、③得意先、④エンドユーザーごとの社名・取引金額・取引内容と選定理由を記載していきます。

ローカルベンチマーク 「商流・業務フロー」シート

 

3.「4つの視点」シート

4つの視点とは、①経営者②事業③企業を取り巻く環境・関係者④内部環境体制となります。
ここでは、経営者の思いを言葉にしたり、分析した結果を記載していきます。
最終的は、現状と将来目標のギャップから課題を把握し、これから行うアクションを決めていくことになります。

ローカルベンチマーク 「4つの視点」シート

 

定期的な健康診断を行うことで、自社を見つめ直すキッカケとなり、事業のさらなる発展させていきましょう。